ジャノメデオムカイ ー ツイリソラ ー０

ジャノメデオムカイ　　ー　ツイリソラ　ー　0

　ジャノメデオムカイ　ー　アマヤライ　ーの後編みたいな感じです。
　ちょっと暗くなるかもしれない予定です。

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　交差する人混み。
　鼠色の空。
　私は建物の上から、立ち止まった人影をじっと見ていた。

雨雨　降れ降れ 母さんが

　灰色の世界に一人の女がいた。空を見上げて何を思ったか、ふいに顔をしかめている。まるで憎い相手でも見ているようだ。
　しかしその瞳は空と同じく、今にも泣きそうな色をしていた。あたかも世界に自分は独り、取り残されたというような雰囲気で。

蛇の目でお迎い うれしいな

湿った匂いがする。やはり雨は降りそうか。
　私は女から視線を外すと空を見上げた。なるほど、やはりこの空は女の瞳と似ていた。彼女のその瞳は、嫌悪を空に向けていた。こういうのを同属嫌悪というのだろう。

ぴっちぴっち

　しばらく彼女はそのまま立っていた。こちらが見ているのを知らずに。これからなにが起こるかわからずに。

ちゃっぷちゃっぷ

　だがそれでいいのだ。私は目を細めると、一度目を瞑り、隣で歌を口ずさむ同胞の一人である女の声を耳にした。

　あれが

らんらんらん･･････

　私たちの『迎える者』。