異界へ迷い込んだ子達の末路

異界へ迷い込んだ子達の末路

先日少し読んだ本『〈異界〉を創造する―　英米文学におけるジャンルの変奏　―』（英宝社）について少し思ったことを書いてみる。ちなみに卒論資料にするつもり。
まずは少し話をまとめてみようかな。

現実・現在を超えたユートピア的不滅の世界、つまり桃源郷みたいな夢の世界（異界）を望むのはロマン派詩人達に見られる傾向らしい。
でもその「夢の世界（異界）」はいつもなにかしら「実は嘘だった」とか「偽りの世界だったんじゃないか」とう不安がまとわりつく。
つまり「異界」という世界はとても危うい存在ということ。これが「異界」の特徴その１。

加えて「「異界」に行ったら絶対戻ってくる」という特徴がある。これが「異界」の特徴その２。
多くの読者は「異界」に行った話を聞きたがるけれど、実際は帰ってくる話も同じくらい大切で痛切なものだということらしい。と、いうのは帰る話は「異界の物語」において必須要素なのらしい。「帰ってきた」という現実があって初めて物語の真実が現れるから。

また「異界」というのは「こちらの世界」と最も遠くにありながら、「家、故郷」を感じさせるもの。
二重のイメージがあるらしい。
だから「帰ってくる」という物語は二つの見かたがある。
例えばこんな物語がある。

『ある子どもがいた。
ある夏の日、その子どもは一人で公園で遊んでいたが、散策している間に公園と住宅に挟まれた高い石の塀に辿りついた。
そこには見慣れぬ白い扉があった。
不思議に思ってその扉を開けると、どんな動物も皆仲良く暮らすまるで夢のような世界があった。
子どもはそこへ行った時、自分は「故郷に帰ってきた」ような強い感情でいっぱいになった。
しかし、突然子どもはその世界から「こちらの世界」に戻された。
その「夢のような世界」に対し子どもが抱いた望郷の念はとても強く、それから何度も子どもはその扉を探した。
だが、扉を探し出せても度重なる偶然のせいで子どもは「夢の世界」に行けることはなかった。それは大人になっても続いた。
ある夜、大人になった子どもは死体になって見つかった。
とある工事現場で深い穴に落ちて亡くなっていたのだ。
その近くにはセメントで出来た壁とライトに照らされて白く光る扉があった。』

と、勝手にショートストーリーを作りましたが、これはH・G・ウェルズさんの短編『壁の戸口』をアレンジしただけ（しかも本に説明されていたのを読んだだけ）。
で、とりあえず例としてこの話が使われたのですが、つまり事実は「主人公は事故死」したということ。
けれどそれは「此方側の世界の価値基準から」見た話。
主人公は「ついに念願の夢の世界（異界）に辿りつけた」という解釈もできる。
もしくは夢の世界に辿りつけると信じたが、結局はその世界に裏切られ、その身を滅ぼしたということも考えることが出来る。
でも主人公がその「夢の世界」を見て、納得して死んでいったとしたら、そのつもりで死んでいったとしたら主人公は最後に「異界と故郷」を一致させることに成功したということになる。

と、まぁなんだかよくわからないまとめになってしまったけど、最後のは「夢の世界」に行くために、「此方の世界」へ戻る道を閉ざして、帰るところは「夢の世界」のみにしたということだと私は思ったりする。
つまり「夢の世界」＝「戻る場所、帰りつく場所、故郷」ということかなと。

この話を聞いて（というか読んで）なんだか少しなるほどと、思いました。
なぜか「異界」を感じてしまう所に「懐かしさ」を感じてしまうのは自分の中で「理想の世界」を垣間見てしまうからなのかなぁと。
物語の中でも、「異界」に行ってその「異界」に戻ることを望んでしまうキャラクターはどこかしら「異界」と自分の理想を重ねている所があるのかもしれない。
もしくは現実世界より「異界」に安心感や思い入れが強い。その安心感は母体にいる胎児を連想させるなぁと思う。よくこういった物語の解釈では「母体にいる胎児の安心感」みたいな暗示の話が出てくる。
それは現実世界ではありえない。
なにかしら現実は不安があったり、充ち足りなかったりすることがある。
そんな現実の世界に対応する、やっていくにはなにかしら足りないものがある人が「異界」に行きがちなのではないかなぁと、物語を読んで思う。
物語の中で自分に自信満々で日々充実満足していますって人はなかなか「異界」には行かない。
でもこれは誰でもそうなのでは？　と言ってしまえる。
まぁ、その中でも「縁」があるんだろう。
たまたま引き寄せてしまった「縁」。そういう「縁」を引き寄せた才能というものがそのキャラクターにあったと言うことなのかもしれません。

と、私がここで思い浮かべるのが『Missing』という甲田学人さんの本の中の空目恭介というキャラクター。
ネタばれになりますが、最終巻で彼は再び「あちら側」に行ってしまいます。
しかも今まで仏頂面か、とにかく笑ったことなかった人（少なくても本編でそんな記述はなかった）が「あちら側」に行くことを友達、神村に認められた時笑った。
どうして今まで「あちら側」に行くことを反対していた神村が空目を行かせたのか、なぜ空目は笑ったのか不思議でした。うん、あの話好きだったから雪崩のように終わったあの展開が名残惜しかったという。
でもこういうことかなと私は思いました。

空目はただ単に「家」に帰っただけなのだと。
それは本来の「家」ではなかったにしろ、彼の家族は（父親を除いて？）「あちら側」にいたんだから。
彼の弟が半身だからとか、少し違うかもしれない。
空目は「あちら」に「故郷」を見出したんだと思う。
現実の世界には戻ったけど、あまり適応できなかったんじゃないかな。
それにお母さんも弟も「あちら」にいるし、彼のおばあちゃんも最終的には行ったんだろうなと解釈する。ただ彼の父親の場合はなぜか健在だから知らん（笑）
もしかするとえーと、何の一族だっけ？　「縊り」と「墓守」以外の最後の一族の血を引いているからかな、父以外。
だから空目は「あちら側」へ行った。
けどまぁ、それでも「こちら側」になにも愛着がなかったわけではないと思う。
名前忘れたけど魔女さんに「傍観者」という名前をつけられたワトソン君的彼は、空目にとって弟みたいな存在だったのではと、思ったりする。
だから弟君（もどき？）みたいなのが彼に憑いたんじゃないかと想像してみる。
「優しい鏡さん」も巻き込まないようにしようとしていたのかなぁと思ってたような節があるし。
とにかく空目のまわりにいた5人のキャラは彼にとってとても大切な存在だったのではないかな。むしろ「こちら側の」家族と言えたんでは？

って、ファンタジーというより「Missing」ガタリに近かった気がするっ！
ここで、終わっとこう！
うん！

 

Fairy Lore

Fairy Lore

色々と現実逃避しがちなのでとりあえず卒論の資料になりそうなものを探しています。
お久しぶりです、名城です。
おかげでよい文献がぞくぞく出てきそうです。
ちなみにタイトルが卒論のテーマ関係のもの。「妖精学」です。

あんまり出てこないかなぁなんて思っていたらあることにはあるらしい。
妖精関係は井村君江さんや Katharine Mary Briggsさんの著書が多いです。
井村さんの本は一部持っていますが、 Katharineさんのはまだなので学校で借りたいです。
最終的には買いたい。
でも実は卒論は妖精も関係あるけど厳密に言うと「妖精」のことについてやるのではないので、どうしようかとも思っています。
テーマ微妙に変えようか。
異界に行く子ども達（異世界に行くファンタジーもの）とかがテーマだからなぁ。チェンジリングとか神隠しとか関係なくもないけどなぁ。
妖精とか妖怪の見られ方とかをテーマにしたくなってきた。

話が変わってものずごく遅くなりましたが羽根崎様、お誕生日おめでとうございます！（おせぇ！）
はい、申し訳ないです！
次に会ったときにプレゼント渡すから！（ここで言うな）
そしてもっけ様にも一言。
一緒にコンソーシアム講義行けなくて申し訳ありませんでしたっ！
今週は絶対！必ずや一緒に参りましょう！

ぬおぉ・・・・・謝ってばっかりだ私。

頑張れ私。
ファイトだ私。
１０３１だ私（ぇ）

ここで一つ、テンションあげて最近面白いものを見つけました。
「初恋の人からの手紙」という占いみたいなものです。
いくつか質問に答えると初恋の人からの手紙が出てきます（笑）
興味をもたれた方は是非やってみてください。
ものすごく面白いです。
続きを読むに私の結果と感想が入っています。
長いですが、よろしければどうぞ！

 

カツがほしい

カツがほしい

活力がほしい今日この頃。
名城です。
今日は従弟のお守りでした。どうしよう若さが眩しい。

実は前回のブログは携帯電話からしました。
ちょっと新鮮でしたが、時間がかかる。
ということでもうしないかもしれない（笑）
そのせいかはわかりませんが、ついさっきブログを確認するとトップの表示され方がおかしくなっていました。
うーんなぜだ。
まぁまた直るだろう。
それよりも今問題なのが活力。
気が抜けてる風船状態が長期間続いています。
やっべぇ。
そんな気配が駄々漏れな私に昨日兄にフィットネスクラブに入会させられました。

「家で悶々するより汗流してすっきりしようぜ☆
案外気持ちいいし、痩せるし。

そして悶々するたびにフィットネス行ってはマッチョになるがいい（笑）」

みたいな感じで（。
時々私は兄に流されます。
なんだかめんどくさいんです、流れに逆らうのが。
でも本当に嫌な時は頑として動かないのが名城です。
……うん、そろそろ贅肉がヤバい。だから断り切れなかったのだろう。
そしてもっとヤバいのが金。
フィットネス代、月4500円なり。
これで結構安いらしいです。入会金なしだし。

まぁ、これでモチベーションをあげることにします。
なにもしないよりは何かした方がいいし。
これで面接のネタにもなるかもしれないし。
ということで就活、ファイトだ私。


というか、名城は兄のことを話題にしすぎですね。
自重します。
いや、ネタになる兄なんですよ、キャラ的に。


そう言えば更新履歴では表記していませんが、サイトの拍手お礼小説変えました。
忙しくてもストレス発散になにかと書いてしまいます。

 

とりあえずおやすみ

とりあえずおやすみ

やけに眠い今日この頃な名城です。

春眠暁を覚えずかなんかでしたっけ？とりあえずそんな感じです。



なんというかお知らせです。

なんと去年10月に盗まれた自転車が見つかりました。つい昨日警察から連絡があり、発見されたとのこと。

実は現在名城は駅から学校まで自転車通学しているのですが、始めて1ヶ月しないうちに盗まれたんです。

兄のお下がりとは言えかなりショックでした。

まぁ自業自得ですが。学内とは言え実は鍵をかけてなかったんです。
……まぁなにはともあれ、おかえりよマイチャリ。で、どうやって持って帰ろう。

もう通学用に新しく買ってるんですよね。

それにいくらなんでも京都から家までチャリで帰るなんてできない。

まぁ兄は好奇心で一回やったことありますが。ちなみに3時間ぐらいらしい。

案外いけるかもしれないなぁ。けど私はやらない。

いくらなんでも、ね。この忙しい時期にする気はない。まぁネタにはなるかもしれないし、新境地を味わえるかもしれないけど(笑)



あー…皆さん案外自転車盗まれても帰って来ることがあるので、防犯登録と届け出は諦めずにしましょう！

それにしても見つかるなら色々小説を溜め書きしてたUSBが見つかればよかったのに…とか言ってみる(涙)

新スタート

勢い余って描いてしまった。
鳩歩々様へのお礼（というか自己満足）絵。
恐れ多くも鳩歩々様がブログで邦雄達のホワイトデー絵を描いてくださったので、前に描いてしまったものです。
当サイトのお友達リンクに張っています！サイト名「あくたもくた。」。是非鳩歩々様のサイトへ行ってみてください！とっても面白い漫画サイトさんです！

話が戻りますが所々力尽きて汚くなっています。申し訳ないです。
特に字なんて見られたもんじゃねー。
絵は得意ではないのに描くからこうなるんです、はい。
これなら小説の方がよかったかもしれませんね（笑）
まぁノリで！というか錦小学生にしか見えん！すみません！
ちなみに上の人物は当サイトの小説「正岡家シリーズ」の吉良錦さんです。特に「錦」って字読めないですよね！はい、すみません！

クリックすると拡大します。
友のもっけ様曰くちゃんとでかくできるらしいですが、私はいまだにブログの画像を大きくする方法が分かりません。
大きくはできても大きくするほどモザイクのようになります。なぜだ。


さて、一昨日大学に行きました。成績発表と履修ガイダンスです。
そこでトラブル。人身事故で電車が遅れた。
まぁそれはよくあること（？）だろうと思います。
ガイダンスは成績の受け取りだけになるだろうなぁと、電車を降りてからマイペースにこきこき学校まで自転車をこぎました。
案の定ガイダンスはほとんど聞けませんでしたが無事、成績は頂きました。
普通でした。
まぁでも前期に三つ落としてしまったのでその挽回ができてよかったです。代わりにA＋三つゲット。
ついでゼミの発表もされていたので見に行きました。
そこで唖然。
第一志望のゼミが消えてる。
どうも私が第一志望にしたところの定員が足りなかったので消えたのだそうです。（というか第一志望者一人って・・・）
なんのゼミかというと、卒論を英語で書くゼミでした。
今年の英米文学生という奴はそれでも英米かっ。
まぁ第二志望に入れたのでよかったです。人生なんとか頑張ればどうにかなるものだとわかりました。

それはもうすんだのでともかく、もう一つ重大な問題が発覚しました。
一つ必修の授業を取り忘れてた。
しかも前期のみの講義。
落とせない。しかも予備登録。
ちゃんと忘れないようにしとこう。
ちょっと冷や汗かきました。
意外とというわけではなく結構名城は抜けています。
実はそれとは別に一つ登録必修というやつも取らねばなりません。これも、前期だけ。まぁこれは知ってましたし落としても大丈夫ではあるが。
あとはまぁ大丈夫だけど。
うっかりが一番怖いので皆さんも気をつけましょう！（お前だけだ）

それにしても就職活動があるのになんで前期の講義ばかり残してたんだろうと今更思います。
あまり後回しはよくないってことですよね。
コンソーシアムも取るつもりなのに。
うーん、まぁ週２・３日大学に行くだけなので頑張れば何とかなりそうな。
うん、どうしてもコンソーシアムは譲れないんです。
それにあまり学校に行かなかったからと言っていいとも限らないし。
講義は気分転換にもなるし。
まぁなんにしてもコンソーシアムは抽選漏れする可能性もあるわけですから、とりあえず出願するだけします。
ああ、でももうちょっと計画よく取ってたら週１も夢じゃなかった気もするのが残念のような。
でもそれは私の性格上無理だ。週２はないと今みたいに急にエンストきそう。
あ、というか先生に翻訳頼まれてたのやらないと。
うわ、なに色々詰め込もうとしてるんだろう私。授業だけの問題じゃねー。

とか色々長くなりました。
一見就職活動が余裕なセリフばかり言ってますが、違います。
エンスト中です。やばいです。なんでこんなに私はマイペースにゆっくりしているのだろうか。
ということで、明後日のES〆切２つ頑張ります。
一つはウェブだけど一つは紙。
つまり一つは明日中。作文書けない、どうしよう。しかしやれるだけやってみよう。

そんなマイペースすぎる名城です。
今から再スタート頑張ります。
就活生のみなさんもファイトです。こんなダメなやつでもまだ今からでも就職活動は間に合います。
と、偉そうなこと言ってみる。

拍手を下さる方、停止中にもかかわらず当サイトにお越しくださっている方、いつもありがとうございます！